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CACOPHONY、MEGADETHに参加してきたギタリストとして、世界的に知られるギタリストである。オリエンタルなギター・ラインは特徴的で、さらに、日本語がしっかりと喋られることでも有名。今回のインタビューは2時間を超えるロング・インタビューだったが、すべて日本語で行われている。もともと、私とマーティーはBOSSのイベントに関連して面識を持ち、その後、意気投合し、今回の取材することとなった。私の大切な友達である、マーティーに過去を振り返りながらインタビューをしてみた。
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―今日はマーティーのバイオグラフィーを振り返りながら話を聞きたいと思います。もともとはエルビス・プレスリーに影響を受けているようですが。
Marty FriedMartyan(以下Marty):子供の頃はプレスリーの大ファンでしたが、僕の音楽の中には実はそれほどプレスリーに影響されてはいないんです。でもプレスリーのおかげで音楽に興味を持ち、音楽が好きになってきた。プレスリーを聴いて「あ、音楽カッコいいじゃん」と思ってた。
――なるほど。プレスリー以外では?
MARTY:50年代の音楽大好きだった。ロカビリーだけじゃなくて、アメリカのグループ・サウンズ、ドゥ・ワップとかのハーモニーが大好きだった。ホントにあの曲作りのセンスは良かったと思う。ソングライティングとしてはすごく印象的だった。今でもけっこう聴く。ホントにクールな感じがいいね。
――その後、14歳でギターを始めますが、KISSが好きだったんですか?
MARTY:好きだった。KISSのライヴ観に行ったら、信じられないくらい衝撃で。考えてみれば、14歳のときに初めて観た、KISSが葉っぱを吸ったりするちょっと不良の雰囲気に影響されました。
――メイクは(笑)?
MARTY:メイクはすごいね(笑)。それよりも音楽のプレイはすごいカッコよくて、それを見たときには「じゃあ僕もできるかな」と思ってた。そんなに難しくはなかったし。最初は魔法みたいだと思っていたけど、ギターを手に入れたら、そんなに難しくなかったので頑張りました。
――KISSのコピーはした?
MARTY:結構、コピーした。
――KISS以外は?
MARTY:ラモーンズ。ラモーンズはすごく簡単でコピーしやすいから、すぐ満足できるじゃないですか。例えば、プログレッシブ・ロックとか、イエスとかが好きになったら一度は絶対「ギター辞めよう」って思うでしょ?
――はははは、そうなの(笑)?
MARTY:絶対、絶対辞める(笑)。
――複雑すぎるから?
MARTY:難しい。でもね、ホントに難しいだけっていう感じだから、全然刺激はない。逆にラモーンズはすぐに弾けるようになっちゃったので、ホントに気持ちよくて。だからギターを続けられました。その後、難しい曲もコピーするようになって、挑戦することが増えてきた。もちろん、KISSとラモーンズは基本的だけど、ロックのギタリストには必要なことだから、難しいプレイをする目的よりも、最初から勉強して、バンドに入れるために頑張りました。
――バンドをやりたかったの?
MARTY:そうそう。バンドやりたかっただけだから、そんなに上手になる必要はなかったの。とにかくバンドに入れる上手さだけあれば満足で、その後はすぐにバンド入ってたよ。ギターを始めて4ヶ月後ぐらいで。僕はあまり上手じゃなかったけど、上手なフリしてた(笑)。
――そんなことないと思うけど(笑)。
MARTY:ホントにそんなことあったね(笑)。ギター始めて3カ月くらいしか経ってないのに、ギターの先生だって名乗ってました。
――え、先生?
MARTY:僕自身は3カ月くらいのキャリアだけど、僕の生徒は2カ月だから。
――1カ月しか差がない。
MARTY:あまり差はないし、1カ月分の知識しか上回ってなかったけど、人に教えながら自分でも学びましたよ。だからホントに“僕はうまい”という自信があった。それは自慢じゃなくて、いろんなことに挑戦してたから。いつも僕よりうまい人がいるバンドに入ろうとしたり、僕よりもうまい人に相談したりしてた。みんなからは「マーティ-は僕ら(先輩)と同じくらいのテクニックがある」とよく思われてたけど、でも僕は経験が浅かった。だからうまい人に直接習って、テクニックとか、ソロの大切さとかを知りました。
――その間にもたくさんコピーしたと思うんだけど。
MARTY:KISS、ラモーンズ以外は、マホガニー、ラッシュ、フランク・マリノ。
――マホガニー・ラッシュが好きだったんだ。
MARTY:僕のプレイではけっこう彼の影響がいっぱい入ってる。そのあと自分のスタイルが確立していってからは、完璧にコピーするわけじゃなかった。とても良い音を聴いたら、その曲のソロとかギター・パートについてちょっと習えば大丈夫。それに、完璧にコピーすると難しすぎてがっかりするから(笑)、プロのギタリストから1つ2つ習えば得だと思った。あちこちから、色々勉強できるから少しずつでもOKです。
――どんな練習方法だったんですか?
MARTY:何か習ったら、ちゃんと丁寧にできるようになるまで何回も何回も繰り返し練習したよ。バカみたいに100回とか200回とか(笑)。もしできなっかたらすぐ止めちゃうんだけど、1度できたら、そこから腕を磨こうと思って。
――その当時、マーティーが難しいと思ったギタリストは誰?
MARTY:ウリ・ロート。目指したんだけど、難しすぎてすぐ諦めた(笑)。でも2〜3年経ったら彼のギター・プレイは理解できるようになってて、完コピーはしなかったけど、けっこう影響された。
――KISSもそうだけど、ハードな音楽をコピーしてたことが多い?
MARTY:ハードだけ。ヘヴィじゃないと嫌だった。
――そうなんだ。その後はハワイへ引っ越しますが、その間は?
MARTY:その前は……、僕のウェブサイトに恥ずかしい写真があるけど(笑)、ジュースというバンドを3年くらいやっていました。すごいロック・バンドで、メンバー15〜16歳なんだけど、ロック・スターに憧れていた時期だったから素行が悪かったね。ロック・スターみたいな生活を真似したくて、ワイルドなパーティーとかをやったり、麻薬をやったり。パンクとロックン・ロール・バンドみたいだったけど、他のバンドよりずっと若かったので、カッコいいと思ってた。そのバンドの思い出はすごい恋しい。その後、ワシントンD.C.からハワイに引っ越しました。ハワイは音楽的には何にもないのよ、ハワイアン音楽しか(笑)。僕はそのときすっごいヘヴィ・メタル・マニアだったのに。すごいがっかりだったよ。だから、僕と同じ状態で、ハワイの音楽に全然満足していない友達を2人見つけて、とてもクレイジーなヘヴィ・メタル・バンドを組んだ。それがハワイというバンド。
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