GiGS 1月号
(シンコーミュージック)


 

MR.BIG
『MR.BIG』
22P2-2789

 

ジェフ・ベック
『Blow By Blow』
ESCA7617

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

専門学校ESPミュージカルアカデミーにJanne Da Arcのyouが来校し、特別ゼミが行われた。ESPミュージカル・アカデミー恒例の特別ゼミとは、在校生のみが受講できる限られたスペシャル・ゼミ。今回は、youのギター・ワークを中心に、Janne Da Arcの楽曲奏法解説なども含めて行った。司会は音楽アーティスト科学科長の奥原先生。進行役は以前に何度も音楽雑誌で取材している、私、井桁が担当することとなった。ここでは、その模様をWEB限定で紹介する。

02/01/18 専門学校ESPミュージカルアカデミーにて


 
特別ゼミはyouのデモ演奏からスタート

ーー(演奏終了後)。ありがとうございました。いきなりスゴイ演奏を見せていただきました。実はこのデモ演奏の楽曲はGiGS1月号のCDにも収録されたインストの楽曲です。変拍子になっていますが、これはyouくん自身に解説していただきましょう。
you:これはリズムが2種類あるんですけど、5/8拍子のところと11/8拍子のところがあるんです。
ーースタインバーガーを使って弾いてたけど、プレイ中に気になったのは、指板についているヘアバンドを動かしていたことなんだけど。
you:これはミュート用なんです。複数の弦をタッピングをするときに、両手を使うのでどうしてもミュートができなくなるんです。だからそのときのために使ってます。
ーーマイケル・ジャクソンやジェフ・ベックのサポートをやっていたジェニファー・バトゥンも専用のミュートを使ってたよね?
you:そうですね。あの人も専用のダンパーみたいのでタッピングが全部できるようにしていますね。それと一緒です。でも、安上がりにやってますけど(笑)。
ーー(笑)。では、これからギター・プレイ、機材に関して、話を聞いていきます。まず始めに、youくんがギター始めたキッカケは?
you:中学3年生くらいなんですけど、クラスの友達がバンドをやっていたんです。ベースとドラムだったのかな?  なんかおかしいことにギターがあいてたんですよ。で、“おまえ、ちょっとギターやれ”と。要するにギターをやりたくてやったわけじゃない。“バンドが面白そうやなぁ”というので始めたんです。
ーーそれは、珍しいよね。普通、ギタリストが決まっていて“おまえベースやれ”だとか“ドラムやれ”だとかいう感じが多かったりするから。最初は誰をコピーしたの?
you:ユニコーンです。そのコピー・バンドをやっていたんですけれども、ずっと弾けなかったですね。そして、あるキッカケで洋楽にいくようになったんです。高校1年生のときに、友だちの家で聴いたMr.BIGのファースト・アルバムで目覚めたんですよ。それまで洋楽とか知らなかたから、ちょっと衝撃でしたね。そこから、スティーヴ・ヴァイといったテクニカル・ギタリストをどんどん聴くようになりました。
ーー速弾きはいきなり弾けるわけないと思うんだけど?
you:自分で見よう見まねでずっとやってたんですけど、どうしてもできなくて。個人のギターの先生に習いに行ったんです。そこで、ピッキングから教わった感じですね。
ーーyouくんって、モード・スケールを使ったり、ジャズっぽいアプローチをしたりするよね?
you:そうですね。そのときの先生が、ジャズ/フュージョンを本業でやってた人なんで、そこで教わったって感じですね。
ーー逆にエモーショナルな部分、チョーキングやビブラートで影響を受けたギタリストは?
you:やっぱりジェフ・ベックですかね。あのひとの曲も結構コピーしましたけれども。
ーーやっぱり『Blow By Blow』(75年)とか?
you:やりましたね。初めて変拍子やったのも「スキャッターブレイン」(『Blow By Blow』収録)。
ーー当時、苦労したテクニックは?
you:速いフレーズとか、どうしても音が濁ってたりしましたから。キレイになるには時間かかりました。ゆっくりしたテンポから練習して徐々にテンポを上げていくしかなったんですよね。
ーーなるほど。いろんなプロ・ギタリストに話を聞くと、速弾きはそういう地道なトレーニングしかないんだよね?
you:そうですね。だから、ホントに地味ですね。練習は(笑)。
ーーその地味な練習というのは具体的にどういうものだったんだろう?
you:指の分離をさせるトレーニングをやりました。よくあるクロマチックなフレーズ。あとは指の分離で、2本1組(人さし指と薬指、中指と小指)みたいのを、毎日欠かさずやってましたね。
ーーその練習はやはりクリックに合わせて?
you:そうですね。メトロノームは欠かさずに練習してました。
ーーみんなやってることは同じなんだね。たぶん見ている学生のみなさんが授業で言われてることも同じだと思うんだけれど(笑)。そして、練習していく中で、新たな壁があったと思うんだけど?
you:目標にしてたコピーのフレーズとか弾けても、さらに上のものっていくらでもあるじゃないですか。僕の場合やったら、ジャズ/フュージョンのジョン・マクラフリンを聴いたときには、またすごい壁がありましたね。
ーーでは、youくんはハード・ロックを通って、その後、ジャズ/フュージョンをコピーしてったって感じなのかな?
you:そうですね。それからプログレとかもどんどんハマるようになったし、広がっていったって感じですね。
ーージョン・マクラフリン以外に、ジャズ/フュージョン系のギタリストでコピーにオススメなのは?
you:僕はロベン・フォードとか好きですね。またタイプは違うけれど。歌いまわしとかがすごい好きだったりとかするし。
ーーロベン・フォードの場合ってペンタトニック・スケール一発じゃなくって、ダイアトニックの中のコード・トーンの連結を巧みに使っているからね。
you:そうですね。だからそういうスタイルも好きだったりしました。なるべく多くを聴こうとしてたし、自分の中でなるべく好き嫌いをなくそうとしてましたね。一回聞いて“ん?”と思っても、何回か聞いてみるとかして、そしたら違う発見ができたり、好きになってたりするんですよ。
ーーそれが今現在のスタイルになっている……。
you:いろいろなスタイルを身につけるようになったことは、実際のレコーディングで役に立ちましたね。いろんなアレンジが思いついたりしますもん。
ーー幅広いジャンルをコピーすることで、アレンジの幅も広がったと?
you:それがいちばん大きいかもしれないですね。いろんな音楽を聴いてるっていうところでは。